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ニュースリリース

欧州におけるCMR物質の取り扱いに関するEU指令について(第2報)
可塑剤工業会の認識が正しいことをEU当局が公式に表明
(部品など加工品には規制が及びません)

 「欧州において、来年末からDEHPが使用できなくなる」といった情報が関連業界の一部に流れていましたが、その発端は、EU指令76/769/EECの第25次修正指令2003/36/ECの解釈の間違いによるものでした。
 当工業会の解釈については、本ホームページにて掲載(ニュースリリース10月20日)した通りですがこの規制はEU域内の一般消費者に対する販売規制であり、通常の加工メーカーに対する販売については何ら問題がありません。
 この度、EU当局(DGエンタープライズ・ケミカルズユニットの長)が当工業会の認識に間違いないことを公式に表明しましたので、ここに全文を掲載します。

*DGエンタープライズとは、EU委員会部局の一つ、企業総局
http://europa.eu.int/comm/dgs/enterprise/index_en.htm
英文(添付資料(1))、和文訳(添付資料(2))
 したがって、欧州の塩ビ加工業界において来年以降もこれまでと何ら変わることなく、DBP、DEHPが使用できます。
以下に今回の問題について、少し詳しくご説明します。

1.発端
EU指令76/769/EECの第23次および25次改訂指令が本年3月並びに6月に発効されました。(添付資料(3)、(4)参照
この改訂の内容のうち、以下に可塑剤に関連した部分を抜粋しました。
1) DBP及びDEHPが同指令の付属書のリスト(生殖毒性カテゴリー2のリスト)に追加された。
2) このことにより、EU域内においてはDBPとDEHPについて「一般大衆」への物質自身(substance)と、調剤(preparation)の販売が2004年12月より禁止される。
EUの法律はその体系が域外の人々にはわかり難いものです。
添付資料<3>の新聞記事を見ても、何が禁止で何が許容されているのか分かりません。
この複雑さが25次改訂において、DBPおよびDEHPが規制対象になったことにより、EU域内での使用全面禁止との誤解を一部にもたらしました。

2.EU指令76/769/EECの規制内容
このEU指令76/769/EECの規制の重要な点を再度以下に示しました。
1) この指令(修正指令)は、DBPおよびDEHPを全面禁止したものではありません。
(一般消費者を化学物質から保護するための販売規制)
2) 保護する相手は一般消費者(general public)であり、製品を製造する業者に対する販売規制ではない。
3) 規制対象となるのは物質そのもの(substance)と調剤(preparation)であり、加工製品は対象外です。調剤の定義は、同法の中で定義されています。簡便に表現すると「2種以上の混合物」を指します。すなわち、DBP、DEHPを加工製品(壁紙、床材、自動車部品等)向けに販売・使用するについての規制はありません。
(当然、EUの分類と表示の指令に基づいて移動に関しての表示義務はあります。)
 今回の問題の基となった指令は正式には「危険な物質および調剤の上市と使用の制限に関する理事会指令76/769/EEC」といい、当初制定の1976年以降、種々の修正指令により対象の物質が追加され、その規制の内容も様々です。

19次修正指令 2002/61/EC アゾ化合物
30ppm以上溶出するようなアゾ化合物は繊維やレザーに使用してはいけない。
20次修正指令 2002/45/EC 短鎖塩素化パラフィン
21次修正指令 2001/41/EC CMR物質(追加)
23次修正指令 2003/34/EC CMR物質(追加)
24次修正指令 2003/11/EC 2種の臭素化ジフェニルエーテル
成分に0.1%以上を含む物質、調剤は上市、使用してはならない。
製品(Articles)に0.1%以上含んだものは上市してはならない
25次修正指令 2003/36/EC CMR物質 (DBP、DEHPが入っている)
物質、調剤は上市してはならない。
26次修正指令 2003/53/EC ノニルフェノール、ノニルフェノールエトキシレート

 このように76/769/EECの場合、製品(article)を禁じているものと物質と調剤のみを禁じているもの、濃度規制しているものがあるので、混乱しやすいのです。
3.実際の混乱の例
 複数の企業が、「環境負荷物削減」の名目の下に、ELV指令やRoHS指令等で禁止物質になっている鉛、水銀等とともに、可塑剤であるDBPおよびDEHPの自主規制の方針を出しました。これに対して、部品メーカーに動揺が広がりました。
「ヨーロッパではほんとうにDEHPが禁止されるのか」
「もちろん、全くの誤報です。」
A. ELV指令(廃棄自動車):2000/53/EC:禁止物質 鉛、水銀、カドミウム及び6価クロム
B. RoHS指令(電気・電子機器に含まれる特定危険物質の使用制限):2002/95/EC:禁止物質 鉛、水銀、カドミウム及び6価クロム+PBB、PBDE
C. 上市と使用の制限に関する指令:76/769/EEC :制限物質 CMR物質、臭素化ジフェニルエーテル他

4. 可塑剤工業会は今回の問題に関して、疑問をもっている方々への説明をいつでも出来る体制にあります。 同様な問題を抱えている方々があれば、是非ご連絡ください。
連絡先: 電話 03−3404−4603
FAX 03−3404−4604
e-mail maruyama@kasozai.gr.jp


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