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ニュースリリース

平成16年7月

また一つ懸念材料に朗報が!(米国の研究結果から)
重病の幼児に対するDEHPの暴露で、悪影響は観察されなかった

 最近、米国の国立小児医療センター(ワシントン)は、CERHRが2000年の報告注)において、最大懸念を表明したDEHPの暴露による重病の乳児に対し、その後の追跡調査結果を公表しました。(Environmental health Perspectives)

 
それによりますと、ワシントンDCの2つの主要な医療施設からの研究チームが、新生児として発育不十分な肺への酸素を供給するためECMO(extracorporeal membrane oxygenation:膜酸素化)治療を受け、高レベルのDEHPに暴露した14歳から16歳の19人の男女を対象にしたもので、調査結果は以下の通りです。

(1) 身体および性成熟に関して顕著な悪影響は見出せなかった。
(2) 甲状腺、肝、腎および生殖器機能は男女とも標準的であることが判明した。
(3) 性ホルモンレベルと男性生殖器官の大きさは標準的であること判明した。

 この調査結果は、これまで幾つかのリスクアセスメントで、特にECMOのような生命を救う処置で生じた高レベル暴露に懸念が表明されていたので、皆さんを安心させるものです、と結ばれています。
 勿論この一言だけでCERHRが表明した懸念が払拭できたことにはなりませんが、最大懸念が現実でなく、あくまで懸念で終わる可能性が高くなったことは、当工業会ばかりでなく関係者にとっても大変喜ばしい朗報であると考えます。

注)
 米国・CERHR(Center for the Evaluation of Riske to Human Reproduction =人の生殖に関するリスク評価センター)は、1999年にNTP(国家毒性プログラム)とNIEHS(国立衛生研究所)により設立された化学物質のリスク評価機関です。
 ここでは主として、生殖毒性に関して既に公表されている研究データを精査し、人への影響を評価する役割をもっています。
 このCERHRがDEHPをはじめ7種類のフタル酸エステルについて、公的研究機関や大学の研究者17名で構成される委員会において、1999年夏からおよそ一年かけてリスク評価を進め、2000年7月に結論が公表されました。その内容については当工業会でもお知らせしましたが、概略は次の通りでした。

DnHP:
データ不足のため評価不可能
DBP、DINP、DIDP、BBP、DnOP:
成人および子供が暴露した場合の生殖への影響は、低い(low)、最小の(minimal)または無視できる(negligible)程度という評価。
DEHP:
成人に対する懸念は、最小(minimal)という評価。
しかし、重病の乳児に対しては医療機器からの暴露に大きな懸念(serious concern)が示されした。
また、妊婦中の母親が暴露を受けた場合、生まれてくる子供に対し懸念があるとし、乳幼児が成人が受ける量以上の高濃度暴露を受けた場合にも懸念があると表明。

 上記の通り、CERHRはDEHPについて、通常の場合の最大懸念は、重病の乳児が医療器具から受ける暴露であると表明したわけです。ただ一方でこれに関しても、DEHPを使用した医療機器のもたらす利益は潜在的リスクに勝るものであることを認めています。


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