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ニュースリリース

平成16年12月

ECPIが子供の喘息とフタル酸エステルとの関連について大反論

 本年7月のEHP(Environmental Health Perspectives)誌注1)で発表された『子供の喘息およびアレルギー症状とハウスダスト中のフタル酸エステルとの関連性』(The Association Between Asthma and Allergic Symptoms in Children and Phthalates in House Dust=C G Bornehagら)(添付資料参照)に対してECPI(欧州可塑剤・中間体協議会)は、この度大々的に批判・反論を行った。
 わが国においてもこの研究レポートが、あたかもDEHPがシックハウスの原因物質であるかのように喧伝されている事例もあることから、今回皆様方に正しくご理解頂くためニュ―スリリースで取り上げました。
注1)米国の科学雑誌

 ECPIは、『この研究で示されている喘息発生率とフタル酸エステルとの相関関係は非常に弱いものである。さらに、この研究では喘息その他の呼吸器疾患の重要な寄与因子として広く認められている多数の重要な要因を考慮に入れておらず、この点で不備である。』と真っ向から批判を行っています。
以下にECPIの指摘点を要約して記します。

1. 因果関係
著者らは、『先進諸国では過去30年間に喘息が増加しており、これは環境が原因と示唆される。』としているが、この増加が化学物質への暴露の増加によるものとは必ずしも言えない。
疫学的証拠によって裏付けられている現在の主流の考え方は、『免疫障害の増加は感染症の減少と関係しており、感染症の減少は我々の免疫系が必要な抵抗力を形成する力を大きく低下させている』というものである。
例えば、旧東ドイツは旧西ドイツよりもはるかに汚染が激しいが、喘息の率は旧東ドイツのほうが低いことが知られている。
従って、フタル酸エステルが喘息に関与しているならば、それは主な原因というよりも、よりクリーンな環境への寄与因子としての可能性が高い、とも言える。
2. 疫学
この研究の第一の問題点は、実際には患者=対照研究になっていない点である。著者らは喘息を有する子供と有しない子供を特定し、次に"環境"的原因を調べている。このことから考えられる明らかな選択上の偏りは、ビニル床材・壁材がダストを減少させる方法として子供のために広く推奨されていることである。アレルギー/喘息を有する子供たちの親は、絨毯・カーペット・キルト・クロス張り家具といった"ダストのたまりやすい"家具を減らして、表面が滑らかで掃除のしやすいものに取り替えることが多い。これらの代替材料はフタル酸エステルを含有する 柔らかいPVC製が多いことを考慮すると、アレルギー/喘息症状とダスト中のフタル酸エステル濃度との間に関連が見出されても驚くには値しない。しかも、この研究でのダスト粒子中のフタ ル酸エステル濃度は異常なものではなく、他のいくつかの調査で認められたレベルと大差ない。
この調査では、約1100人の患者と1100人の対照者に参加協力を求めたが、実際に応じたのはそれぞれ約200人(20%)だけで、選択による偏りがある可能性が高い。研究に参加協力する人は通常、参加しない人と本質的な違いがあり